犬の運動 どれくらいがいい?

心臓疾患がある犬にとって心臓に負担をかけない体型づくりとして運動は必要なことですが、逆に運動が心臓に負担をかけることもあります。これは、飼い主さんにとっても悩みどころでもありますよね。

今回はそんな飼い主さんに少しでも参考になればと思い、心臓疾患がある犬と運動についてのお話をしたいと思います。

獣医には「無理な運動はNG」「控えて」といわれてしまった

もし、獣医に「無理な運動は控えて」といわれてた時、具体的にどんな運動ならOKか悩むときもありますよね。獣医としても普段ワンちゃんがどれくらい運動しているか知らないので、具体的に言えない状況もあります。

獣医にそのようなことを言われたら、最初は5~10分程度のお散歩をしてあげてください。それでワンちゃんが満足気ならその時間がベストです。

もし、「もうちょっと歩きたいな」という表情を見せたら5分延長して15分程度の散歩をしてあげてください。散歩後から翌日にかけて悪い変化が出ていないなら次の診察までそれを続けてみてください。

元々散歩好きな犬の場合は「まだまだ歩きたい」というアピールをするかもしれませんが、15分を超えてしまうとどんな犬でも負担になることがあるのであまりおすすめできません。

具体的なアドバイスは獣医から

控えめな運動を続けた後の診察では、獣医に具体的にどういう運動をしたのか説明して、指示を仰いでください。

「何分間散歩をしたのか」「いつの時間帯に歩いたのか」など。それから、散歩の前と散歩の後で何か違いがあればどんなことでも獣医に話しておくと良いでしょう。

心臓病の犬の運動はステージとリンクさせる

心臓疾患があるワンちゃんの運動は、ステージとリンクさせながら行うことも大切です。

犬の心臓病のステージについて」でもまとめていますが、心臓病にはいくつかのステージが存在します。

ステージ1、ステージ2(B1)、ステージ2(B2)、ステージ3、ステージ4とあり、数字が進むにつれて症状が重くなります。

一般的には、ステージ2(B2)から少しずつ運動量を減らし、ステージ3では獣医指導の運動制限が必要になります。

心臓病の症状に気づくのが遅れるとすぐに運動制限がかかることもあるので、心臓病にかかりやすいワンちゃんの場合は普段から肥満予防をしておくことが大切になります。

散歩が大好きな犬は散歩をやめることで悪化することも

今までのお話と少し矛盾することになりますが、散歩が大好きでたまらないワンちゃんにとっては、急に散歩をやめてしまうと逆に症状が悪化することもあります。

もし、散歩をやめたり減らしたりすることで見るからに落ち込んでしまった時は、散歩をしてあげることをおすすめします。

その場合は、できるだけ部屋との温度差がない時間帯で連れて行ってあげると負担を減らすことができます。

心臓病がある犬の散歩については、獣医によって考え方も違いますので、可能であればワンちゃんや飼い主さんに寄り添ってくれる獣医がいる病院をおすすめします。

心臓病の犬におやつは厳禁?もしあげるならどんなものがいい?

心臓病がある犬におやつを上げるの基本的にはNGです。おやつをあげてしまうとその分栄養素が追加され、その中には心臓に良くないものも含まれるのでおすすめできません。単純に摂取カロリーも増えるので体重を増やすことにもつながります。

もし、しっかりとカロリーや栄養素を計算できるのであればもちろんOKです。が、「朝ご飯を少し減らしたのでおやつをあげよう」というあいまいなものであれば栄養バランスが崩れるのでできる限りやらないようにしましょう。

心臓病のワンちゃん用のおやつであれば、ナトリウム量が記載されているのでおすすめです。

心臓病の他に腎臓病などもあるワンちゃんの場合は、ちょっとしたおやつでもよくないことがあるので、一つ一つ獣医に確認しながら与えるようにしてください。

まだ食事制限がそれほど必要でない場合には、野菜などをおやつとして与えることが可能です。

栄養的に問題がなく、犬の好物といわれるのは、かぼちゃ、さつまいも、にんじんの3つ。どれも食べると甘い味がするので食いつきも良いです。

しかしながら、心臓病の初期段階とはいえ与えすぎると栄養過多になるので、いくらワンちゃんが欲しがるからといっても欲しがるだけ与えるのはNGなので注意してください。

参照:犬の心臓疾患 | おすすめの食事

 

心臓病にはセカンドオピニオンも

ちょっと信じられないエピソードかもしれませんが、飼っているワンちゃんが数年前に病院で心臓病だと診断されたのに、改めて別の病院で調べてもらったら実は心臓病ではなかったという話を時々聞きます。

原因はいろいろあるようですが、やはり獣医がいい加減であることが多いようです。

もちろんちゃんとした獣医さんの方が多いですから、もし、治療の段階で気になることがあればすぐに相談してください。

心臓病は、最初に診た段階でその兆候があっても薬でコントロールされて回復したということも考えられますので、ちゃんとした獣医であれば、それについて説明してくれると思います。

しかし、もし最初の病院で何か獣医に不信感があれば、セカンドオピニオンも考えてみてください。気になることを獣医に伝えて機嫌が悪くなるような病院は絶対に変えたほうが良いです。

ちゃんと診てくれる獣医かそうじゃないかの判断はいろいろとあると思いますが、個人的にはすべての検査結果について一つ一つ丁寧に説明してくれる人は安心できるかなと思っています。これは人間の場合も同じですね。

セカンドオピニオンとしての病院選びも大変だと思いますが、今はインターネットで病院のサイトや口コミ情報なども調べられますから事前にチェックしておくと安心ですよ。

7歳以上のシニア犬 心臓病の原因は?

犬は7歳を超えると高齢犬とされ、様々な病気を発症しやすくなります。心臓病も老化と大きく関係しています。

犬は年をとると運動量も落ちますし、ちょっと息切れを起こすと「老化かな」程度で終わらせがちですが、「実は心臓病だった」ということも考えられますので、7歳を超えたら定期的な健康診断をしてあげてください。

心臓病 老化以外で考えられる原因

心臓病の原因で最も多いのが「老化」ですが、それ以外にもいくつか理由が考えられます。もちろん、すべての心臓疾患に当てはまるわけではありませんが、間接的な原因にはなるので参考にしてください。

①食事のとりすぎで肥満状態になっている
体重が増えるとその分心臓への負担が大きくなります。特に食いしん坊のワンちゃんの場合は、飼い主さんの給餌が重要になってきます。欲しがってるのに与えないことはかわいそうでもありますが、そこはぐっと気持ちをおさえてしっかりとカロリーコントロールをしてあげてください。

②塩分の摂りすぎ
人間と同じようにワンちゃんも塩分の摂りすぎで心臓に負担をかけてしまうこともあります。予防段階では通常のドッグフードで問題ないので、適切な量を与えるようにしてください。

ときどき人間が食べるものを与える飼い主さんがいますが、ワンちゃんにとってはNGです。犬は、塩分の強いものを欲しがるので与えたくなる気持ちも分かりますが、ワンちゃんにとって悪影響になるので注意が必要です。

今では、塩分量も考えられたワンちゃん用のおやつもたくさん売られているので量販店などでチェックしてみるといいかもしれません。

③高血圧や高血糖状態が続くこと
高血圧や高血糖状態が長く続くと、動脈の血管壁にコレストロールがたまり、動脈硬化の原因になります。

心臓病は動脈硬化が進むことで起こるので、その前段階の高血圧、高血糖状態を予防することが大切になります。

僧帽弁閉鎖不全症の原因

僧帽弁閉鎖不全症とは、犬の中で一番多い心臓疾患といわれ、進行すると肺水腫を引き起こし命に関わる状態に陥ってしまいます。

今回は、僧帽弁閉鎖不全症になる原因についてお話していきたいと思います。

僧帽弁閉鎖不全症の原因

僧帽弁閉鎖不全症って?」の記事にも書きましたが、この病気にはかかりやすい犬種がいます。特に小型犬に多くシーズー、チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、キャバリアキングチャールズスパニエルなど国内で人気な犬種がかかりやすい傾向にあります。

上に書いた犬種の場合、シニア犬になると3割がこの病気を発症するといわれています。キャバリアに至っては、5歳以下の個体でも発症し、高齢犬になると60%以上がかかるとされています。

僧帽弁閉鎖不全症は、食事や普段の行動など外的な要因で発症することはほとんどなく、遺伝的な要素が強い傾向にあります。

僧帽弁閉鎖不全症の予防
僧帽弁閉鎖不全症は、遺伝によって発症することが多く、予防や完治が難しい病気だといわれていますが、その発症や進行を遅らせることは可能です。

まず、シニア段階に入る7歳までの間の食事には気を付け、肥満を予防するようにしてください。塩分コントロールも心臓への負担を減らすことができます。人間が食べるお菓子などはあげないように心がけてください。

また、僧帽弁閉鎖不全症に限らずほとんどの心臓疾患は、早期発見によりその後の進行を遅らせることができます。

ワンちゃんの普段の活動をしっかりとチェックし、病気のサインを見逃さないようにすることも大切です。定期的な健康診断も行うと安心です。

心臓病に散歩は良くない?

心臓病の予防のひとつにダイエットがありますが、そのためには散歩も必要です。しかし、心臓病になってしまったら必ずしも散歩が必要というわけではないので注意が必要です。

もちろん初期の段階で肥満気味のワンちゃんの場合は、散歩を取り入れるのもアリですが、症状が進んでしまった場合は逆に負担になることもあります。

心臓病の症状は?」の記事にも少し書きましたが、心臓病の症状が進むとワンちゃんの方が散歩を嫌がることも多くあります。

しかし、ワンちゃんは飼い主さんの喜ぶ顔を見るのが好きなので、本当は辛くても誘えばついてくることもあります。飼い主さん的にもワンちゃんが散歩に行けば「元気になった!」と思えるのでついつい強制的になることもあるかもしれません。

ワンちゃんの行動を見極めるのはなかなか難しいかもしれませんが、散歩に本当に行きたがっているのかしっかりと見てあげてください。

また、散歩の途中も息がゼーゼー言っていたり、歩くスピードが遅くなっているときは何かしら悪い影響を与えていることになるので
散歩はやめてあげてください。

もともと散歩が大好きだったワンちゃんの場合は、飼い主さんが抱いてあげて散歩をするのも気分転換になるのでおおすすめです。

心臓病手作りフードのレシピ集①

心臓病があるワンちゃんの手作りフードでいちばん気を付けなければいけないのがナトリウム(塩分)の量。できる限り塩分量の少ない食事を与えてあげてください。

今回ご紹介する手作りフードレシピは、暑い夏にぴったりの夏野菜フードです。

【水分が豊富にとれる夏野菜フード】

[材料]
鶏ささみ・・・適量
トマト・・・1/8個(約30g)
きゅうり・・・10g(約1/10本)
りんご・・・5g
粉ゼラチン・・・1g
だし汁・・・50ml

[作り方]
①だし汁にゼラチンを加えて冷やして固める。
②ささみを茹でる。
③トマト、きゅうり、りんごを食べやすい大きさに切る。
④材料をすべて混ぜ合わせたら完成。

だし汁を使うことで塩分がなくても味付けが可能になります。ほんだしなどを使って作っても良いですが、昆布やシイタケなどでだしをとる方がワンちゃんの体に優しいレシピになります。

鶏ささみは菌がつくことがあるので茹でてください。粉ゼラチンが固まる時間はメーカーによって違いますが、だいたい30分前後かかります。冷やしてあげると良いですね。

今回はだし汁を使っていますが、ワンちゃんが普段好む味付けに変えてあげることも可能です。塩分をプラスするのはNGなので、そこだけ注意してください。

夏は水分補給が大切です。暑くても水をなかなか飲まないワンちゃんにおすすめのレシピです。

心臓病にはドッグフードと手作りどっちがいいの?

心臓病があるワンちゃんには、既成のドッグフードと手作りフードどちらを与えていますか?また、どちらが良いと思いますか?実はこれ、獣医によっても意見が分かれているところなんです。

私個人の意見では、ほとんどの場合、既成の心臓病フードが良いと考えています。なぜなら、ワンちゃんのための手作りフードはとても難しいからです。

人間の療養食の場合、インターネットや書籍などでたくさんレシピが紹介されているので、それらを見れば意外と簡単に作ることができます。さらに、多少好きな味じゃなくても、人は「体のため」と考えれば食べることが多いですよね。(それでも食べない人はいますが・・・)

しかし、ワンちゃんの場合はレシピ集も少ないですし、嫌いなものは食べないので飼い主さんが苦労することになります。また、人が当たり前のように食べている食材でもワンちゃんが食べると命を脅かすほど危険なものもあったりします。

これらの難点をすべて克服できるのであれば、手作りフードの方が良いと思いますが、実際のところかなり難しいことなのでやはり心臓病の食事は既成の療養フードが良いと考えます。

ただ、そんなことを言っては毎日一生懸命ワンちゃんのためにフードを作っている飼い主さんにとってこのブログは意味のないものになってしまいますので、今後少しずつではありますが、手作りのポイントやレシピ集などをご紹介していきたいと思います。

ワンちゃんによって好みが色々なので口に合わないレシピもあるかもしれませんが、少しでも何かのお役に立てれば幸いです。

参照:犬の心臓疾患 | 寿命はどれくらい?

犬の心臓病のステージについて

犬の心臓病も人間と同じように進行具合によっていくつかのステージに分かれます。ここでは僧帽弁閉鎖不全症のステージについてご説明します。

犬の心臓病は全部で4つのステージに分けられます。数字が大きくなるにつれて症状が重くなります。(1~4ではなくA~Dで分けられることもあります。)

ステージ1(A)
犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期段階がステージ1になります。特にワンちゃんに変化は見られないが、将来的に心臓病になる可能性がある状態が当てはまります。獣医によっては心臓に雑音があった場合にステージ1とすることもあります。特別な治療は行いませんが、定期検診を勧められます。検診は1年に1~2回程度行うと良いでしょう。

ステージ2(B1)
心音に雑音が入ってくるとこのステージ2という診断をされます。このころからワンちゃんに「疲れやすい」「咳をする」などの症状がみられるようになります。まだ治療は行いませんので心配することはありませんが、普段の食事の見直しが必要になります。

ステージ2(B2)
同じステージ2でもさらに2段階に分けられることがあります。上のステージ2よりも少し症状が進んでいる状態です。この状態では、血液の逆流や心臓の拡大が確認できるようになります。血管を拡張する薬の投与に加え、心臓病専用の食事を与えることになります。

ステージ3(C)
心臓の拡大に加え、ポンプ機能の低下もみられるようなります。ワンちゃんによっては、咳の他呼吸困難を起こすこともあります。このステージ3から運動制限も必要になります。この状態になると、利尿剤、ACE阻害剤、カルシウム感受性増強剤等の薬物治療が開始されます。

ステージ4(D)
犬の僧帽弁閉鎖不全症で一番症状が重い段階がこのステージ4になります。心臓のポンプ機能が慢性的に低下し、慢性心不全とも呼ばれます。今はまだ心臓手術は主流ではないので、完治ではなく進行を遅らせる治療を行うことになります。

心臓病の検診費用は?

犬の心臓病の検診費用についてですが、これは動物病院によって違ってきますので、はっきりこうだとは言い切れない部分があります。

したがってここでは一般的な相場でご紹介したいと思います。

【犬の心臓病の検診費用】

・初診料 約3,000円
・診察料(再診) 1,000円~2,000円
・胸部レントゲン 2,000円~8,000円/1回
・血液検査 6,000~10,000円/1回
・心臓エコー検査費用 4,000円~12,000円/1回
・心電図 3,000円~8,000円/1回

初診料と再診料については、どこの病院でもだいたい上記のようになるようです。具体的には聴診器で雑音を聞くだけなので高くなることはありません。

レントゲンは定期検診とは別に年に1回行うことをお勧めします。レントゲンでは心臓の大きさをチェックします。もし大きくなっている場合はそれが原因で気管を圧迫していないかなどを調べます。ここで異常があれば薬が追加されるのでそのぶん費用がかかります。

心臓のエコー検査とX検査は簡単なものと高度な技術を使ったものに分かれるため金額の差が大きく出ます。例えば心電図の場合、24時間にわたって記録して普段の生活でどのように変化するかなどを調べるものは費用が高くなります。

上記の費用を計算すると検診だけだと1,000円から2,000円ほど。レントゲンや血液検査まで含めると1回で16,000円から40,000円ほどかかります。

これにお薬代や心臓病のドッグフード代などを足すと少なくても40,000円以上は必要になってきます。病気が進行するともっと高くなることもあります。心臓病の治療費は他の病気よりも費用が高いため、ワンちゃんはもちろん飼い主さんのためにも定期検診をしっかり行うようにしましょう。