心臓病にはセカンドオピニオンも

ちょっと信じられないエピソードかもしれませんが、飼っているワンちゃんが数年前に病院で心臓病だと診断されたのに、改めて別の病院で調べてもらったら実は心臓病ではなかったという話を時々聞きます。

原因はいろいろあるようですが、やはり獣医がいい加減であることが多いようです。

もちろんちゃんとした獣医さんの方が多いですから、もし、治療の段階で気になることがあればすぐに相談してください。

心臓病は、最初に診た段階でその兆候があっても薬でコントロールされて回復したということも考えられますので、ちゃんとした獣医であれば、それについて説明してくれると思います。

しかし、もし最初の病院で何か獣医に不信感があれば、セカンドオピニオンも考えてみてください。気になることを獣医に伝えて機嫌が悪くなるような病院は絶対に変えたほうが良いです。

ちゃんと診てくれる獣医かそうじゃないかの判断はいろいろとあると思いますが、個人的にはすべての検査結果について一つ一つ丁寧に説明してくれる人は安心できるかなと思っています。これは人間の場合も同じですね。

セカンドオピニオンとしての病院選びも大変だと思いますが、今はインターネットで病院のサイトや口コミ情報なども調べられますから事前にチェックしておくと安心ですよ。

7歳以上のシニア犬 心臓病の原因は?

犬は7歳を超えると高齢犬とされ、様々な病気を発症しやすくなります。心臓病も老化と大きく関係しています。

犬は年をとると運動量も落ちますし、ちょっと息切れを起こすと「老化かな」程度で終わらせがちですが、「実は心臓病だった」ということも考えられますので、7歳を超えたら定期的な健康診断をしてあげてください。

心臓病 老化以外で考えられる原因

心臓病の原因で最も多いのが「老化」ですが、それ以外にもいくつか理由が考えられます。もちろん、すべての心臓疾患に当てはまるわけではありませんが、間接的な原因にはなるので参考にしてください。

①食事のとりすぎで肥満状態になっている
体重が増えるとその分心臓への負担が大きくなります。特に食いしん坊のワンちゃんの場合は、飼い主さんの給餌が重要になってきます。欲しがってるのに与えないことはかわいそうでもありますが、そこはぐっと気持ちをおさえてしっかりとカロリーコントロールをしてあげてください。

②塩分の摂りすぎ
人間と同じようにワンちゃんも塩分の摂りすぎで心臓に負担をかけてしまうこともあります。予防段階では通常のドッグフードで問題ないので、適切な量を与えるようにしてください。

ときどき人間が食べるものを与える飼い主さんがいますが、ワンちゃんにとってはNGです。犬は、塩分の強いものを欲しがるので与えたくなる気持ちも分かりますが、ワンちゃんにとって悪影響になるので注意が必要です。

今では、塩分量も考えられたワンちゃん用のおやつもたくさん売られているので量販店などでチェックしてみるといいかもしれません。

③高血圧や高血糖状態が続くこと
高血圧や高血糖状態が長く続くと、動脈の血管壁にコレストロールがたまり、動脈硬化の原因になります。

心臓病は動脈硬化が進むことで起こるので、その前段階の高血圧、高血糖状態を予防することが大切になります。

僧帽弁閉鎖不全症の原因

僧帽弁閉鎖不全症とは、犬の中で一番多い心臓疾患といわれ、進行すると肺水腫を引き起こし命に関わる状態に陥ってしまいます。

今回は、僧帽弁閉鎖不全症になる原因についてお話していきたいと思います。

僧帽弁閉鎖不全症の原因

僧帽弁閉鎖不全症って?」の記事にも書きましたが、この病気にはかかりやすい犬種がいます。特に小型犬に多くシーズー、チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、キャバリアキングチャールズスパニエルなど国内で人気な犬種がかかりやすい傾向にあります。

上に書いた犬種の場合、シニア犬になると3割がこの病気を発症するといわれています。キャバリアに至っては、5歳以下の個体でも発症し、高齢犬になると60%以上がかかるとされています。

僧帽弁閉鎖不全症は、食事や普段の行動など外的な要因で発症することはほとんどなく、遺伝的な要素が強い傾向にあります。

僧帽弁閉鎖不全症の予防
僧帽弁閉鎖不全症は、遺伝によって発症することが多く、予防や完治が難しい病気だといわれていますが、その発症や進行を遅らせることは可能です。

まず、シニア段階に入る7歳までの間の食事には気を付け、肥満を予防するようにしてください。塩分コントロールも心臓への負担を減らすことができます。人間が食べるお菓子などはあげないように心がけてください。

また、僧帽弁閉鎖不全症に限らずほとんどの心臓疾患は、早期発見によりその後の進行を遅らせることができます。

ワンちゃんの普段の活動をしっかりとチェックし、病気のサインを見逃さないようにすることも大切です。定期的な健康診断も行うと安心です。

心臓病に散歩は良くない?

心臓病の予防のひとつにダイエットがありますが、そのためには散歩も必要です。しかし、心臓病になってしまったら必ずしも散歩が必要というわけではないので注意が必要です。

もちろん初期の段階で肥満気味のワンちゃんの場合は、散歩を取り入れるのもアリですが、症状が進んでしまった場合は逆に負担になることもあります。

心臓病の症状は?」の記事にも少し書きましたが、心臓病の症状が進むとワンちゃんの方が散歩を嫌がることも多くあります。

しかし、ワンちゃんは飼い主さんの喜ぶ顔を見るのが好きなので、本当は辛くても誘えばついてくることもあります。飼い主さん的にもワンちゃんが散歩に行けば「元気になった!」と思えるのでついつい強制的になることもあるかもしれません。

ワンちゃんの行動を見極めるのはなかなか難しいかもしれませんが、散歩に本当に行きたがっているのかしっかりと見てあげてください。

また、散歩の途中も息がゼーゼー言っていたり、歩くスピードが遅くなっているときは何かしら悪い影響を与えていることになるので
散歩はやめてあげてください。

もともと散歩が大好きだったワンちゃんの場合は、飼い主さんが抱いてあげて散歩をするのも気分転換になるのでおおすすめです。

心臓病手作りフードのレシピ集①

心臓病があるワンちゃんの手作りフードでいちばん気を付けなければいけないのがナトリウム(塩分)の量。できる限り塩分量の少ない食事を与えてあげてください。

今回ご紹介する手作りフードレシピは、暑い夏にぴったりの夏野菜フードです。

【水分が豊富にとれる夏野菜フード】

[材料]
鶏ささみ・・・適量
トマト・・・1/8個(約30g)
きゅうり・・・10g(約1/10本)
りんご・・・5g
粉ゼラチン・・・1g
だし汁・・・50ml

[作り方]
①だし汁にゼラチンを加えて冷やして固める。
②ささみを茹でる。
③トマト、きゅうり、りんごを食べやすい大きさに切る。
④材料をすべて混ぜ合わせたら完成。

だし汁を使うことで塩分がなくても味付けが可能になります。ほんだしなどを使って作っても良いですが、昆布やシイタケなどでだしをとる方がワンちゃんの体に優しいレシピになります。

鶏ささみは菌がつくことがあるので茹でてください。粉ゼラチンが固まる時間はメーカーによって違いますが、だいたい30分前後かかります。冷やしてあげると良いですね。

今回はだし汁を使っていますが、ワンちゃんが普段好む味付けに変えてあげることも可能です。塩分をプラスするのはNGなので、そこだけ注意してください。

夏は水分補給が大切です。暑くても水をなかなか飲まないワンちゃんにおすすめのレシピです。

心臓病にはドッグフードと手作りどっちがいいの?

心臓病があるワンちゃんには、既成のドッグフードと手作りフードどちらを与えていますか?また、どちらが良いと思いますか?実はこれ、獣医によっても意見が分かれているところなんです。

私個人の意見では、ほとんどの場合、既成の心臓病フードが良いと考えています。なぜなら、ワンちゃんのための手作りフードはとても難しいからです。

人間の療養食の場合、インターネットや書籍などでたくさんレシピが紹介されているので、それらを見れば意外と簡単に作ることができます。さらに、多少好きな味じゃなくても、人は「体のため」と考えれば食べることが多いですよね。(それでも食べない人はいますが・・・)

しかし、ワンちゃんの場合はレシピ集も少ないですし、嫌いなものは食べないので飼い主さんが苦労することになります。また、人が当たり前のように食べている食材でもワンちゃんが食べると命を脅かすほど危険なものもあったりします。

これらの難点をすべて克服できるのであれば、手作りフードの方が良いと思いますが、実際のところかなり難しいことなのでやはり心臓病の食事は既成の療養フードが良いと考えます。

ただ、そんなことを言っては毎日一生懸命ワンちゃんのためにフードを作っている飼い主さんにとってこのブログは意味のないものになってしまいますので、今後少しずつではありますが、手作りのポイントやレシピ集などをご紹介していきたいと思います。

ワンちゃんによって好みが色々なので口に合わないレシピもあるかもしれませんが、少しでも何かのお役に立てれば幸いです。

参照:犬の心臓疾患 | 寿命はどれくらい?

犬の心臓病のステージについて

犬の心臓病も人間と同じように進行具合によっていくつかのステージに分かれます。ここでは僧帽弁閉鎖不全症のステージについてご説明します。

犬の心臓病は全部で4つのステージに分けられます。数字が大きくなるにつれて症状が重くなります。(1~4ではなくA~Dで分けられることもあります。)

ステージ1(A)
犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期段階がステージ1になります。特にワンちゃんに変化は見られないが、将来的に心臓病になる可能性がある状態が当てはまります。獣医によっては心臓に雑音があった場合にステージ1とすることもあります。特別な治療は行いませんが、定期検診を勧められます。検診は1年に1~2回程度行うと良いでしょう。

ステージ2(B1)
心音に雑音が入ってくるとこのステージ2という診断をされます。このころからワンちゃんに「疲れやすい」「咳をする」などの症状がみられるようになります。まだ治療は行いませんので心配することはありませんが、普段の食事の見直しが必要になります。

ステージ2(B2)
同じステージ2でもさらに2段階に分けられることがあります。上のステージ2よりも少し症状が進んでいる状態です。この状態では、血液の逆流や心臓の拡大が確認できるようになります。血管を拡張する薬の投与に加え、心臓病専用の食事を与えることになります。

ステージ3(C)
心臓の拡大に加え、ポンプ機能の低下もみられるようなります。ワンちゃんによっては、咳の他呼吸困難を起こすこともあります。このステージ3から運動制限も必要になります。この状態になると、利尿剤、ACE阻害剤、カルシウム感受性増強剤等の薬物治療が開始されます。

ステージ4(D)
犬の僧帽弁閉鎖不全症で一番症状が重い段階がこのステージ4になります。心臓のポンプ機能が慢性的に低下し、慢性心不全とも呼ばれます。今はまだ心臓手術は主流ではないので、完治ではなく進行を遅らせる治療を行うことになります。

心臓病の検診費用は?

犬の心臓病の検診費用についてですが、これは動物病院によって違ってきますので、はっきりこうだとは言い切れない部分があります。

したがってここでは一般的な相場でご紹介したいと思います。

【犬の心臓病の検診費用】

・初診料 約3,000円
・診察料(再診) 1,000円~2,000円
・胸部レントゲン 2,000円~8,000円/1回
・血液検査 6,000~10,000円/1回
・心臓エコー検査費用 4,000円~12,000円/1回
・心電図 3,000円~8,000円/1回

初診料と再診料については、どこの病院でもだいたい上記のようになるようです。具体的には聴診器で雑音を聞くだけなので高くなることはありません。

レントゲンは定期検診とは別に年に1回行うことをお勧めします。レントゲンでは心臓の大きさをチェックします。もし大きくなっている場合はそれが原因で気管を圧迫していないかなどを調べます。ここで異常があれば薬が追加されるのでそのぶん費用がかかります。

心臓のエコー検査とX検査は簡単なものと高度な技術を使ったものに分かれるため金額の差が大きく出ます。例えば心電図の場合、24時間にわたって記録して普段の生活でどのように変化するかなどを調べるものは費用が高くなります。

上記の費用を計算すると検診だけだと1,000円から2,000円ほど。レントゲンや血液検査まで含めると1回で16,000円から40,000円ほどかかります。

これにお薬代や心臓病のドッグフード代などを足すと少なくても40,000円以上は必要になってきます。病気が進行するともっと高くなることもあります。心臓病の治療費は他の病気よりも費用が高いため、ワンちゃんはもちろん飼い主さんのためにも定期検診をしっかり行うようにしましょう。

犬の心臓病でお勧めの病院は?東京都内

犬の心臓病治療でお勧めの病院をいくつかご紹介します。

①日本獣医生命科学大学医療センター(武蔵野市)
電話番号:0422-90-4000
紹介状は必要ありませんが、完全予約制なので事前に電話をかけて予約する必要があります。24時間体制や救急診療は行っていません。

②府中農工大附属病院
電話番号:042-367-5785
完全予約制。紹介状が必要です。循環器の先生の評判が高い病院です。また、費用も比較的安くなっています。

③東京動物心臓病センター(世田谷)
電話番号:03-5760-1212
完全予約制。紹介状は必要ですが、予約がとりやすい病院でもあります。

④麻布大学付属動物病院
電話番号:042-769-2363
二次診療、完全予約制。犬の心臓外科チームがあります。また、国内でも数人しかいない心臓の専門医の先生がいます。

⑤広尾セントラル病院
電話番号:03-5420-0012
評判の高い病院ですが、費用が結構かかります。

僧帽弁閉鎖不全症って?

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が何らかの理由で変性し、閉鎖不全が起きてしまう病気のことです。僧帽弁には血液を送り出すために開閉する役割があるためこれが働かなくなると血液が逆流してしまう恐れがあります。

僧帽弁閉鎖不全症の主な原因は加齢による粘液腫様変性。簡単に言うと弁同士がうまくかみ合わないことで放置していると血液が正しい方向に流れなくなるので早期発見が大切になります。

この病気は突発的に発症するというよりは時間をかけてゆっくりと進行するためわかりやすい症状というものはありません。よく見られる症状としては、何となく元気がない、息切れを起こしやすい、咳が増えた、ごはんを食べなくなった・・・など。

変化自体には気づきやすいですが、「加齢によるものでは?」と見過ごしやすいため発見が遅れることもあります。

僧帽弁閉鎖不全症を起こしやすい犬種は、キャバリア、チワワ、マルチーズ、ポメラニアン、シーズー、トイプードル、パピヨンなどの小型犬。老犬といわれる7歳ころから増え始めます。

症状にもよりますが一般的に薬で進行を遅らせる治療がメインになります。手術も可能ですが、心臓の拍動を止めて行う大掛かりなものになることや、小型犬の心臓は小さく難しいことから、まだまだ一般的だとは言えません。

もし手術をする場合には、約100~120万円ほどの手術費がかかります。